裁判所は、被疑者又は被告人に逃亡又は罪証隠滅のおそれがあるときは、検察官の請求により、または、職権により、被疑者又は被告人と第三者との接見を禁止することができます。これを接見禁止決定といいます。
ただし、この場合でも、弁護人は立会人なく接見をすることが出来ます。
用語集
保釈とは、一定額の保証金の納付を条件として勾留の執行を停止することです。起訴されて被告人となった段階の勾留において認められます。勾留されている被告人、弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹は、保釈請求権者として保釈の請求ができる(刑事訴訟法88条1項)。
保釈保証金の金額は、犯罪の性質、情状、証拠の証明力、被告人の性格、資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならないとされています(刑事訴訟法93条2項)。
また、保釈を許可する場合に、あわせて住居の制限など一定の条件が付加されることもあります(刑事訴訟法93条3項)。
破産財団とは、破産手続きの開始と同時に破産管財人によって管理される破産者の財産又は相続財産をいいます(破産法2条14項、34条1項)。破産債権者の共同の満足に充てられる財産です。
破産財団の範囲は、破産者が破産手続き開始の時点で有する差押可能な一切の財産になります。国内にある財産に限られません。
自由財産とは、破産財団に属しないで、破産者が自由に管理処分できる財産をいいます。破産財団を構成しない財産としては、(1)破産者が破産手続開始後に新たに取得した財産、(2)差押禁止財産、(3)破産管財人が破産財団から放棄した財産、(4)自由財産の拡張の裁判がされた財産などがあげられます。 東京地方裁判所破産再生部では、以下のような、個人破産の換価基準が設けられており、この基準に該当する財産については、原則として自由財産としての扱いになります。
- 99万円に満つるまでの現金
- 残高が20万円以下の預貯金
- 見込額が20万円以下の生命保険契約解約返戻金
- 処分見込価額が20万円以下の自動車
- 居住用家屋の敷金債権
- 電話加入権
- 支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権
- 支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金債権の8分の7
- 家財道具
- 差押えを禁止されている動産又は債権
破産債権とは、債務者が破産した場合、その債権を届出て、破産財団から公平な共同弁済を受けることができる債権をいいます。
具体的な範囲は、破産者に対して破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であって、財団債権に該当しないものをいいます。
破産債権には順位があり、優先的破産債権、普通破産債権、劣後的破産債権、約定劣後破産債権の順で優先順位が認められます。
免責不許可事由として、以下のようなものが法定されています(破産法252条1項)。
(1) 破産者が意図的に破産債権者を害する行為をした類型
- 債権者を害する目的で行う不当な破産財団減少行為(1号)
- 破産手続開始を遅延させる目的で行う不当債務負担行為及び不利益処分(2号)
- 非義務行為についての不当な偏波行為(3号)
- 浪費又は賭博その他の射幸行為による著しい財産減少等(4号)
- 詐術による信用取引(5号)
- 帳簿隠滅等の行為(6号)
- 虚偽の債権者名簿提出行為(7号)
(2) 破産手続き上の義務を怠り、手続きの進行を妨害する行為の類型
- 調査協力義務違反行為(8号)
- 不正な手段による破産管財人等の職務の妨害行為(9号)
- 破産手続き上の義務違反行為(11号)
(3) 免責制度にかかわる政策的事由
7年以内の免責(10号)
免責不許可事由が存在すると認められた場合でも、破産手続開始に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは免責許可の決定をすることができるとされています(破産法252条2項、裁量免責)。
非免責債権とは、免責の効果が認められない債権をいいます。破産法では政策的な理由から一部の債権には免責の効果が及ばないとしています(破産法253条1項)具体的には次のようなものがあげられます。
- 租税等の請求権
- 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
- 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
- 破産者が扶養義務者として負担すべき費用に関する請求権
- 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
- 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
- 罰金等の請求権